俺らはローテンブルクを後にし、古城街道を通りハイデルベルクへ向かった。
ローテンブルクを出発して約1時間。
サービスエリアに入りトイレ休憩を取ったのだが、ここでもトイレは有料だったんだな。
ヨーロッパの公衆トイレは総じて有料。
大体どこも0.5ユーロ〜1ユーロなのだが、高速道路のサービスエリアとかではトイレチケットがそのままお金の代わりに使える所が多い。
場所によって手順は違うが、このサービスエリアは最初に0.5ユーロでチケットを買う。
んで、電車の改札みたいな所にチケットを入れて通過し、出てきたチケットを再び取る。
駅に改札が無いクセにトイレにはあるんだな(笑)。
お手洗い終了後、そのチケットはここのサービスエリアのみで使える0.5ユーロの金券となるの。
まぁ、良く考えられてると言うか何と言うか…面倒臭い!
古城街道はその名の通り古城を沢山見る事が出来る街道だ。
ハイデルベルクまでの道中、沢山の古城を見る事が出来たよ。
ロマンチックな物が何も見えないロマンチック街道とかエライ違いだ(笑)。
いろいろな城があったけど、名前が特定出来たのはホルンベルク城だけだったよ…。
ここでパリの運転手さんに続き、ドイツの運転手さんが粋なサービスをしてくれた。
時間に余裕があるから、景色の良い所で写真でも撮ったらどうだ?との事。
今回の旅行は周りの人に恵まれてるなぁ…。
と思っていたが、帰国後に嫁さんから話を聞いたら、運転手はバスを停めるのを面倒臭がっていたが、添乗員さんがしつこくお願いして「しょ〜がね〜な〜」って感じで写真タイムを作ってくれたみたいだ。
サービスしてくれたのは、パリでエッフェル塔を見せてくれたフランス人の運転手だけだったか…。
バスが停まったのはヒルシュホルン城と言うお城が見えるパーキングエリア。
現在、ヒルシュホルン城は古城ホテルになっていて、水曜どうでしょうの4人がヨーロッパ21カ国完全制覇の旅で泊まったホテルでもあるみたいだ。
いやいや、なんて景色の良い所なんだろう。
ネッカー川を挟んだヒルシュホルン城の対岸も、川沿いの丘陵に可愛い家々が立ち並んでいてとても綺麗だ。
理由はどうであれ、こんなに綺麗な所で写真を撮る事が出来たから良しとするか…。
トイレ休憩から約2時間。
この旅、最後の観光地であるハイデルベルクに到着。
ハイデルベルクはドイツで最も古い大学ループレヒト=カールス大学があり、約14万人の市民が住んでいる学園都市だ。
学園都市と言う訳で人口分布的にも若者が多いらしいのだが、ハイデルベルクは中世の街並みを残した美しい景観を持つ街らしい。
どんな綺麗な街並みなのか楽しみだ。
バスは小高い丘を登って行き、観光バスで溢れた駐車場に停車した。
どうやらハイデルベルク城と言う、戦争で廃墟になった城を見学に行くらしい。
その前に一旦トイレ休憩。
男のトイレは早く終わるが女のトイレは時間が掛かるのは世界共通らしく、俺を始めとした男性陣は待たされる事に。
待ってる間、トイレ前の木々の隙間からハイデルベルクの街並みを見下ろしてみたら、めちゃめちゃ綺麗な街並みがチラ見えしたの。
「これは!」と思い、小走りで木が植えられていない見晴らしの良い所まで行ってみた。
そしたら、そこには感動モノの絶景が広がってたよ。
スッゲーカッコイイ!
ローテンブルクはカラフルで可愛い街って感じだったけど、ハイデルベルクはカッコイイ街って感じだ。
上から見下ろしてるってものあるだろうけど、全体的に茶色くて大人の雰囲気がする。
中世の趣を残しつつもモダンな感じだね。
これから向かうハイデルベルク城は、もっと高い所にあるから、もっと良い眺めなんだろうな。
これは、この新婚旅行の締めくくりとして期待出来そうな感じがするぞ。
ハイデルベルク城はドイツでももっとも有名な城趾との事。
1225年にルートヴィヒ1世が取得した城で、その後の度重なる戦火や落雷による火災により何度も破壊され、1689年以降はそのまま廃墟となった悲運の城らしい。
復旧させる度に戦争やら天災やらで破壊されちゃったから直すの諦めたって事なのかな?
現在では年間100万人が訪れるハイデルベルクの象徴となっているんだって。
女性陣のトイレタイムも終了し、いよいよハイデルベルク城へ。
最初に見えたのが「エリザベスの門」と言う、フリードリッヒ5世が英国生まれのエリザベス・スチュワート妃の為に造った物らしい。
破壊された門だけがポツンと建っているその光景は、ハイデルベルク城の悲しい運命を象徴している様な感じだったよ。
エリザベスの門を潜り先へと進むと、ハイデルベルク城が見えてきた。
いや〜凄い。
完全に破壊されている。
石で作られたお城がここまで破壊されるなんて、よっぽど凄い攻撃を受けたんだろうね。
がっつりドラクエ世代の俺は「ムーンブルク城ってこんな感じなんだろうなぁ…」って思ったよ。
ノイシュバンシュタイン城の様な綺麗な城も良いけれど、ハイデルベルク城の様な歴史の重みを実感出来る廃墟となったお城も良いもんだなと思ったさ。
ハイデルベルク城からはハイデルベルクの街並みを見下ろす事が出来るの。
その眺めがこれまた絶景。
さっき駐車場から見た景色をさらにパワーアップさせた感じだ。
赤茶色の屋根、カール・テオドール橋、イエズス教会、聖霊教会、ネッカー川と見えるもの全てが美しい。
中世の面影を残しながらもモダンで大人な感じがする素敵な街並みだ。
これから下に降りて、あの街を散策するらしい。
楽しみだ。
俺らは再びバスに乗り、ハイデルベルクの街へと出発。
バスはネッカー川沿いで停まり、ハイデルベルク散策スタート。
まずはネッカー川に架かるカール・テオドール橋に行く事に。
カール・テオドール橋は正式名称アルテ・ブリュッケ(古い橋という意味)と言う、石造りのアーチが綺麗な橋だ。
橋の入口にはブリュッケン・トーアと言う橋塔が2つ建っていて、その塔の間は門があった。
対岸にある丘には高級そうな家々が立ち並び、川にはカヌーやら遊覧船やらが行き交っていて風景として完成されている。
視線をネッカー川と反対側に向けると、小高い丘の上にさっきまで居たハイデルベルク城が見えた。
こりゃいい眺めだわ。
ローテンブルクとはベクトルは違うが凄い綺麗な街だ。
絶景を成り立たせる要素が有り過ぎ(笑)。
こんな所で学生生活がおくれるなんて贅沢過ぎだわ。
カール・テオドール橋の正面にある路地を通り、ハイデルベルク旧市街へ行ってみた。
しつこい様だけど、ハイデルベルクの街は大人の香りがする洗練された街って感じだね。
中世の趣を残しつつ綺麗に観光地化されているのはローテンブルクと同じなんだけど、やっぱり雰囲気が違うんだな。
綺麗な田舎町と綺麗な都会って感じの差かな?
路地を抜けると広場に出た。
オープンカフェになってたりと、なかなかいい雰囲気だ。
この広場には高さ82mの塔を持つ聖霊教会がある。
今まで見た教会は灰色の石材むき出しの物が多かったが、この聖霊教会は赤茶色のレンガで出来ている。
それがシックで大人な感じがして非常にカッコイイ。
超俺好み。
ハイデルベルクは本当にハイセンスでカッコイイ街だ。
聖霊教会がある広場で最後の自由行動になった。
最後の買物タイムだ。
ここでも最初にユニコーンと言う日本人観光客向けのお店に連れていかれたが、俺らはとりあえず通り沿いにあるお店を見て回った。
オレンジ色の可愛いお店の前を通ると、オバちゃんがバジルペーストが乗ったカリカリに焼かれたフランスパンを観光客に配ってた。
俺らもそれを食べたんだけど、コレがとっても美味しいじゃない。
あまり割れ物のお土産は買いたくなかったんだけど、自分達の分と親戚のお土産分の4本セットを買いました。
そしたらジャガイモペーストがサービスで1本付いて来た。
帰国後の後日談だが、このバジルとジャガイモのペースト、メッチャ美味しかったです。
ハイデルベルクはに行った際は、上の写真のお店を探して買ってみて下さいな。
ローテンブルクは小さい街だから自分の足で良い感じのお土産屋さんを探しまわる事が出来たが、ハイデルベルクは結構な街で時間も無かったのでお店を探す時間がない。
結局、最初に連れていかれたユニコーンでいろいろ買物をしたよ。
情緒は無いが、何だかんだで日本人好みのお土産をジャンルを問わず沢山置いてあるから便利なんだな。
BREEの皮の小銭入れや、ツヴィリングの爪切りなどの小物を買って最後のお買い物も終了。
これにてヨーロッパでの全日程の終了である。
自由行動をしていた他のツアー参加者も合流して、ハイデルベルクともサヨウナラ。
これでヨーロッパの街並みともお別れだなと思うと、物凄く寂しい気持ちになってきた。
バスに戻る為に路地を歩く間、何度も後ろを振り返りハイデルベルクの街を目に焼き付けたよ。
次の目的地はフランクフルト国際空港。
いよいよ帰国の時だ。