凱旋門から約20分程でルーブル美術館に到着。
俺らみたいなツアーの団体客はバス専用の地下駐車場から館内に入る為、ルーブル美術館の外観や周りの雰囲気を見る事が出来なかった。
ちょっと残念だったが、添乗員がさんが「団体客は優先的に待たずに中には入れますが、個人て来られるとご覧の様に物凄〜く列ぶ事になります」と窓の外を指さした。
その指の先には、雨降る中、入場口に大行列を成す一般観光客の群れ。
なるほど。
自由に見たい所を見れる個人旅行は魅力的だが、ルーブル美術館の様な大人気観光スポットに限って言えば、団体客が優先的に入れるツアーが正解らしい。
あの行列に列ばなくても済むのなら、ルーブル美術館の外観くらい見れなくてもしょうがないかと心から思った(笑)。
ルーブル美術館には2つのピラミッドがあります。
1つは庭園にある有名なガラスのピラミッド。
もう1つは、その手前にある逆さピラミッドです。
団体客は優先的に入場出来る代わりに時間が決められているらしく、その時間になるまでトイレタイムとなった。
その間、ガラスのピラミッドの下まで行ってみた。
すると、ピラミッドのガラスの向こうにルーブル美術館の建物がチラリと見えた。
現代アートと歴史的建造物のコラボ。
このピラミッドが出来た当時は疑問視する意見が多かった様だが、この新旧コラボは悪いもんじゃないと思ったよ。
俺らが入館する時間となり、係員にしっかり人数を数えられながらようやっと入館。
添乗員に導かれつつ先へと進むと、どっかで見た事がある様な無い様な彫刻が展示されてる部屋へと着いた。
んーとね、よく分かんね(笑)。
とりあえず上手いのは分かる。
そして、格好良いのも分かる。
でも、躍動感がどーこーとか、表現力がどーこーとかはサッパリ分からん。
それっぽい事を言うならば「人体の筋肉の付き方や骨格の作りなどが非常にリアルで、美しい肉体美を非常に良く表現されていると思いました」くらいか。
素直にスマン。
彫刻の間(勝手に命名)を抜けると階段があり、それを登って上へと行くと雰囲気が一変。
壁には彫刻、天井には天井画。
非常に美しい。
ルーヴル美術館は、歴史的な名画を展示しているだけの美術館なんじゃなく、美術館自体が芸術作品なんだな。
上を見すぎて首が痛くなるくらい見入ってしまったよ。
天井画に見とれつつ先へと進むと、壁が赤い細長い部屋へと出た。
その両サイドには沢山の絵画が展示されていて、その1つ1つが非常に大きい。
大きさもさる物ながら、その中の数点は俺でもどこかで見た事がある非常に有名な物だった。
「民衆を導く自由の女神」
「メデューズ号の筏」
「皇帝ナポレオン一世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」
と言う、作品名こそ知らなかったが、どこかで見た事のある名画が沢山展示されていた。
特に「民衆を導く自由の女神」は、日本人なら教科書なりテレビなりで一度は目にした事があるであろう名画中の名画。
それが今、自分の目の前に。
流石に「おぉ〜!」ってなるっけ(笑)。
「メデューズ号の筏」と「皇帝ナポレオン一世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」は、その巨大さにもビックリした。
こんな巨大な絵なのに、なんで完璧な構図で描く事が出来るのか。
画家からすれば「そんなんあたりめーじゃん」て事なんだろうけど、素人からすれば素直に凄いと思う。
特に「メデューズ号の筏」は構図の見本と言われるくらい完璧な構図で描かれているらしい。
確かに素人目から見てもスキの無い完璧な構図だと思った。
絵画の間(勝手に命名)を抜けると、次はいよいよ「あの微笑」である。
微笑みがある部屋に入ると目の前に壁があり、その反対側に微笑みが待っている。
その微笑の前は黒山の人だかりで、なかなか微笑みに近づく事が出来ない。
前の人が微笑みを見て、居なくなったら少しづつ前ににじり寄るしか近づく手はない。
添乗員さん曰く「中国人が居なくって本当に良かった。中国人が居ると横から割り込むし、後ろからグイグイ押してくるしで混沌を生む」との事で、なかなか微笑みに辿り着く事が出来ないらしい。
そんな中でちょっとづつ、ちょっとづつ前に進み、ようやっと微笑みの前に辿り着いた。
「モナリザの微笑」である。
おそらく世界で一番有名な絵画で、世界で一番有名な微笑だろう。
それが今、自分の目の前に(こればっか)。
でも、不思議と感動は無かったな。
なんだろね。
有名過ぎて本物見てる感じがしなかったのかな?
人混みが凄すぎて感傷に浸る余裕が無かったのかな?
良く分からないけど、「これがモナリザね。ふ〜ん。」って感じだったよ。
日本に帰国し旅行記を書いてる今になって、もっとしっかり目に焼き付けておけば良かったなぁ〜と後悔してる(笑)。
俺、そう言う事多いんだよなぁ。
モナリザの次に現れた彫刻に目を奪われた。
それが「サモトラケのニケ」だ。
ギリシャのサモトラケ島で発見された勝利の女神ニーケの像なので、サモトラケのニケと呼ばれているらしい。
この像は頭と両腕が無く、彫刻としては不完全。
だが、その不完全さがむしろ格好良い。
不完全なのにこの躍動感。
これには本当に感動した。
きっと完全な形で発見されていたら、ここまで魅力的な像として扱われてなかった様な気がするな。
ちなみにスポーツメーカー「ナイキ」は勝利の女神ニーケから名前を取っていて、あの有名なマークもサモトラケのニケ像の翼をモチーフにしているらしい。
サモトラケのニケに感動してフラフラと添乗員さんの後に付いて歩いていると、ヴィーナスの不意打ちを食らっちゃいました。
いきなり目に飛び込んできたのは「ミロのヴィーナス」のおケツ。
油断してた俺の目にいきなりミロのヴィーナスが現れたんでビックリしたよ。
「おぉ〜」ってなった(笑)。
サモトラケのニケと言い、ミロのヴィーナスと言い、不完全な物ほど魅力的に感じるのはなんでだろうね。
ルーヴル美術館に来てから俺の目に飛び込んできたのは「民衆を導く自由の女神」「モナリザ」「サモトラケのニケ」そして「ミロのヴィーナス」。
自分が置かれている状況に戸惑いを感じます(笑)。
これで展示作品の見学は終了。
最初の場所まで戻り、ここでこの旅行初めての自由行動に。
ルーヴル美術館の地下はお土産屋さんやカフェ等があるエリアになっていて、そこで約40分間の自由行動になった。
それは良いのだが、要は人生初の外国人を相手にした外貨でのお買い物である。
もうドッキドキ。
レジに行く前に暗算をして、レジ前でシドロモドロしない様に紙幣をスタンバイ。
当然と言えば当然だが、何も問題なくお買い物終了。
俺は親戚用にルーヴル美術館チョコレートと妹用にマグネットを、嫁さんは会社の人用にボールペンとクリアーファイルを大量購入。
大量のボールペンとクリアファイルにレジの人が困惑してました(笑)。